キャタピラー

監督:若松孝二

なにか見てはいけないものを見ているような残酷さ。しかし観ている方も段々慣れてくるから恐ろしい。戦争の地獄ではなく、帰還後の地獄を描き、戦争とは何かを考えさせられた。今という時代と全く価値観の違う時代なので、戦争に行くことが当たり前のような、世界が戦争という病気に侵され、それに乗り遅れたら滅ぼされるという疑心暗鬼のようなものが世界を覆っていたのだろう。寺島しのぶ大西信満の体当たり演技は評価したい。