引き裂かれたカーテン

監督:アルフレッド・ヒッチコック

ヒッチコック映画としてはイマイチ評価が低いが、むしろなぜ評価が低いのかが不思議なくらい面白い。確かに、追いつめられている割には、緊迫感が足りないなど欠点もあるが、エンターテイメントとしてはヒッチコックらしさを感じた。農場でグロメクを殺害するシーンや、数式を盗むとこなんかも印象深い。しかしこの映画の一番の見所は、終盤の脱出劇ではないか。バスから郵便局、そして劇場とひたすら逃げ回るアクションは、さすがヒッチコックといえる高い娯楽性。手を変え品を変えで、楽しませるポイントを押さえていて見事。