雨の訪問者

監督:ルネ・クレマン

脚本家セバスチャン・ジャプリゾチャールズ・ブロンソンをモデルに書いたシナリオだそうだが、ブロンソンはいつも通りのブロンソン芝居であった。冒頭、雨の降る町にやってきた男。そこから主人公が襲われるまでのシークエンスは、結構わくわくする導入部であった。そして赤いバッグやブロンソンの正体など、話がどこに向かっているのか分からない謎めいたストーリーは、ルネ・クレマンの熟練の演出で悪くないが、中盤中々進まない話に、やや中だるみしたかな。謎を複雑にしすぎて、意味不明なとこも見受けられるが、まあ「太陽がいっぱい」にも通じるフレンチミステリーのムードは味わえた。