レイチェルの結婚

監督:ジョナサン・デミ

毒づくアン・ハサウェイが新鮮だ。ドキュメンタリー風な撮影で、家族の素顔をあぶり出すジョナサン・デミの演出は、鋭く、まるでロバート・アルトマンの群像劇を観ているようだ。いろんな人種や民族衣装など、結婚式がまさにアメリカの縮図といった見方もできるが、この映画は、結婚云々よりも、家族一人一人が過去と向き合い、それぞれの鬱憤を全て吐き出した家族の肖像映画である。むかつき、罵り合い、憎み合う、それでも愛し、強い絆がある。矛盾しているようだが、そんな複雑な家族になんか涙が出た。どうでもいいが、撮影はタク・フジモトじゃないのね。