扉をたたく人

監督:トム・マッカーシー

大学教授と移民青年の心の交流を描いたもの。移民青年が孤独な教授の心を開いていくという、この手の設定はよくあるパターンだが、演じる役者がスターでないためリアルな空気が感じられた。またジャンベという楽器のリズムが、心地よい風となってこの映画に吹き抜けている。惰性な人生に嫌気がありながらも、そんな暮らしから抜け出せずにいる教授をリチャード・ジェンキンスが見事に表現。人との出会いによって、何か大きなものを取り戻した教授、ラストのジャンベをたたく姿が心に沁みました。