アウェイ・フロム・ハー 君を想う

監督:サラ・ポーリー

サラ・ポーリーの監督デビュー作。認知症に直面した老夫婦の話を、サラ・ポーリーは20代の若さでこの題材を選んだということが驚きだ。ただサラ・ポーリーは普通の女優と違いちょっとインテリっぽい気がしたし、アトム・エゴヤンのような異才とも仕事をしてきたので、この堂々とした演出っぷりを観ても驚かない。認知症の妻とそれを支える夫、本当に長年連れ添った夫婦のような芝居で見事。ジュリー・クリスティが脚光を浴びたが、それ以上に夫のゴードン・ピンセントの演技が秀逸。深い愛情と嫉妬、過去の不貞への後悔。そしてじじいのセクシーさを醸し出していた。