アントワン・フィッシャー きみの帰る場所

監督:デンゼル・ワシントン

デンゼル・ワシントンの初監督作品。デンゼルらしく優等生な出来で、とても好感の持てるいい映画だ。何か「小説家を見つけたら」をちょっと思い出した。黒人青年と精神科医の交流と過去に向き合おうとする青年の心の成長を温かな眼差しで綴っていて、それは新人デレク・ルークとベテランのデンゼル・ワシントンのそれと重なり、2人の関係がとても爽やかで美しい師弟関係にみえた。ずっと孤独だった青年が、自分は一人ではない、自分には大勢の家族がいるんだということがわかるラストがいい。また母親との再会するシーンもあざとくならず、抑えた演出で深い印象が残るいいシーンだ。