ミスター・ロンリー

監督:ハーモニー・コリン

ハーモニー・コリンが監督ということで、分かる奴だけ分かればいいみたいな映画かと思ったが、意外と分かり易くは作ってある。有名人のモノマネになることでしか自分の存在を表現することができない人間たちの、タイトル通りとても孤独な映画である。ディエゴ・ルナマイケル・ジャクソンのモノマネをしているんだけど、先日亡くなったマイケルということもあって、ちと感慨深いものはある。しかしディエゴ・ルナにマイケルをやらせようという監督のセンスはちょっと評価。マリリン・モンローのモノマネをやっているサマンサ・モートンの何か母性のようなものは、この妙な映画に温かみを与えている。シスターたちのスカイダイビングなど意味深な割には、あまり必要と思えないシーンもあり、この辺の作家性を主張するような作風はイマイチ好きになれん。