何がジェーンに起ったか?

監督:ロバート・アルドリッチ

これは恐ろしい姉虐待映画。白黒映像が不気味で、ベティ・デイヴィスの妖怪のような顔を一層引き立てている。そのベティ・デイヴィスの演技ときたら引っぱたくは蹴り入れるは鳥は殺すはでやりたい放題の怪演。過去の栄光にしがみつき、プライドが高く、姉への嫉妬がハンパないこの悪女を演じているのか、地でやってるのか分からないぐらいの芝居で、観ているこっちが疲れ果てたよ。じりじりといたぶっていくロバート・アルドリッチの演出も上手く、アルドリッチといえば戦争物というイメージだったので、こんな映画も撮れるんだねぇ。ラスト浜辺でやじうまたちに囲まれるが、ジェーンは観客だと思い、嬉しそうに踊りながら終わるという、この哀れさを醸し出した終わらせ方が素晴らしい。