しゃべれども しゃべれども

監督:平山秀幸

東京下町の風景や作品への優しい眼差しが心地よい空気を作り出している。“話し方教室”に集まった3人のキャラクターもよく(ただ香里奈仏頂面は、あまり可愛げがないが)、特に関西弁の少年が達者な芝居でかわいい。人に何かを教えるということは、自分自身への再確認となり、逆に教わる部分もあるというのをよく表している。落語家という難しい役を国分太一は、かなりがんばっている。普段の芝居は固い気がしないでもないが、落語の部分は、結構な努力が伺え、演じるキャラクターと被るところがあり、落語に対する思いは十分に伝わった。また師匠役の伊東四朗は、本物の落語家のようなセリフ回しで風格すら感じさせる流石の芝居っぷり。いやー素晴らしい。ラストの終わらせ方がどうにも下手なのがちと残念。