キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

監督:マーティン・スコセッシ

なるほどスコセッシが好きそうな題材だ。西部劇の皮を被ったギャング映画。舞台を変えた「グッドフェローズ」。これが白人の歴史である。後からやってきて、ルールを作って、気に入らない連中は消していく。約3時間半の作品だが、さほど疲れなかった。ディカプリオ扮する小悪党を主役に据えたことで、ややスケール感が失われたが、じっくり描くことでインディアンや当時の生活を浮き彫りにする。「アイリッシュマン」では大人しかったデニーロだが、久しぶりにやりがいのある役を手に入れたようだった。リリー・グラッドストーンも添え物って感じでなく、大物相手に引けを取らない存在を示した。スコセッシ最近のお気に入りジェシー・プレモンスも当然いい。ただブレンダン・フレイザー香取慎吾にしか見えなかったが。でもこの映画の一番の印象はディカプリオのへの字口かもしれない。