ディア・エヴァン・ハンセン

監督:スティーヴン・チョボスキー

結構良かった。主人公のうつ病っぽい感じが、この大嘘をややしょうがないよねみたいな感じに誤魔化しているが、やったことは相当な悪さ。それをミュージカルで中和させているのか、ミュージカルあまり好きじゃないけど、意外にすんなりなじめた。周りを騙し、死者をも冒涜しかねる行為に全く共感はできない。最終的には全てバレて、みんなが不幸になるという、トンデモない後味の悪さ。なんでこんな鬼畜な映画を作ったんだとも思った。しかしここからどうこの映画を着地させるのか気になった。終わってみれば、なんとも不思議な余韻で終わっている。そこまで後味も悪くない。皆解放され、皆許した。悪事ではあるが、良かれと思ってやったこと。根底には他人を思いやる心があったはず。人間は弱く間違いを犯す生き物なのだ。