ハンナ・アーレント

監督:マルガレーテ・フォン・トロッタ

彼女の主張は理解できるし、この時代でこんな危険なことをよくやったとは思うのだが、そもそもの前提がアイヒマンは”思考することを放棄して命令に従っただけ”という彼女の主張自体が果たして正しいのか。アイヒマンは罪を逃れるための詭弁であり、ヒットラー自身もうこの世にいないのだから死人に口なしである。人間のこういった流されやすさとかその理論は正しい部分はあるけど、それをこのナチスには当てはまるのかは難しい。ただそれでも終盤の演説には説得力があり圧倒されるものはあった。見応えあり。