人情紙風船

監督:山中貞雄

大傑作「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」の山中貞雄なので、きっと凄い映画なんだろうと思ったがアレ?正直あまり心に響いてこなかった。内容もほとんど忘れるぐらい。「丹下左膳」のようなテクニカルな編集技もなく、江戸時代の小市民の生活を淡々と描く。どうも話が転がっていかない。サムライがどこか時代に取り残されたような扱いで、活気ある周りの市民との温度差が激しく、それゆえその最後が哀しい。