愛、アムール

監督:ミヒャエル・ハネケ

やや広がりの無さは感じるが、ズシリとした見応えはあった。老い、介護、死、誰にでも起こりえることをリアルに突き付けられた。年配の人が見たら、身につまされること必至。自分も祖母が寝たきりになり、自宅で両親が介護していた経験があるので、いろいろと当時のこととか、苦労などを思い出した。また両親が同じようになったらとか、とにかくいろいろと考えずにはいられない。ジャン=ルイ・トランティニャンエマニュエル・リヴァ、二人の老優の深い演技も素晴らしかった。また最初の方で、E・リヴァが突然、電池が切れたように止まってしまい、トランティニャンのその場を離れるが、突然蛇口の水の音が止まり、不思議に思い戻ると何事もなかったようなあの妙に緊張感あるシークエンスが素晴らしかった。