異母兄弟

監督:家城巳代治

正直さほど観る気なかったのだが、これは三國連太郎が役作りの為に上下の歯を10本抜いたという伝説の作品と知り、これはぜひ観なければということで観た。大正から昭和、そして終戦までのある軍人一家の話で中々見応えのある作品だった。後妻とその子供たちが虐げられ、結婚してもなお女中扱いの妻。冷遇され続けるが、最後までこの家族は一つになれなかった。軍国主義時代の日本の姿のひとつとして見ることができた。また印象的だったのは、百人一首を見つめる次男のまなざし。彼は彼で母を知らない寂しさがよく出ていたシーンであった。そしてやはり三國連太郎の演技は凄まじかったのは言うまでもない。