KOTOKO

監督:塚本晋也

最初はCoccoのドキュメンタリーかと思った。Coccoの持つ危うさが普通の女優では出せない演技以上のものが出ていた。この何かやらかしそうな空気は、リアリティを一層高めている。リストカットが嘘臭くない。残念なのは塚本晋也の存在がややこの映画の空気を変えてしまっていること。やりすぎた顔が血だらけのメイクが、せっかくのリアリティに水を差しているようだった。しかし本当にこの人は歌しかないんだな。歌にかける情念のようなものは、ひしひしと伝わってくる。