アイム・ノット・ゼア

監督:トッド・ヘインズ

伝記映画は退屈なものになりがちだが、ボブ・ディランを6人の違う俳優が演じるという変わったアプローチにより、B・ディランの多面性を描く試み自体は面白かったが、これが上手くいったかというと、そうでもない。ごちゃごちゃしすぎているし、結局何が言いたいのか不明で、監督の独りよがりなものになっている。一人の俳優がじっくり演じた方が、より厚みのある映画になったのではないか。