ハート・ロッカー

監督:キャスリン・ビグロー

はじめてのイラク戦争をまともに描いた映画と言われるだけあって、爆発処理班のスリリングな仕事を、徹底したリアリズムで見せる。結構骨太な映画なので、女性監督が撮ったとは驚きだが、まあビグローはもともと男気ある監督なので。。。リアルさの追求はいいんだけど、ドラマ性がやや乏しいので映画としての面白さは薄い。しかし死と隣り合わせの仕事ゆえに、精神状態ぎりぎりのプレッシャーに晒されているというものは強く伝わった。それを表す終盤の車の中でのジェレミー・レナーアンソニー・マッキーの会話が深く印象に残った。自分たちなんてどうせすぐ忘れられる、そして子供が欲しいというアンソニー・マッキーの言葉に、戦争の空しさ、そして生きることの願いを訴えかけるいいシーンであった。