その名にちなんで

監督:ミーラー・ナーイル

アメリカに渡ったあるインド人の年代記。インド人のカルチャーギャップというと「ベッカムに恋して」なんかがあり、特に珍しくないが、この映画は自分の名前というものの重みと親子の愛情の深さを描いている良質な家族ドラマだ。またインド人の身内や親戚の絆や自分たちの文化を大切にする国民性を強く感じた。自身のアイデンティティに目覚めた主人公がアメリカ人の彼女と別れ、インド人と結婚するという展開にしておきながら、結局失敗するというのは、映画としてみれば何が言いたかったんだろうとちょっと意外に思った。