レスラー

監督:ダーレン・アロノフスキー

70年代のような時代を感じさせる映像がプロレスというスポーツによく合い、何とも言い難い哀愁を感じさせる映画になっていて、新しい映画なのに懐かしい気分になった。役者生命が終わったと誰もが思っていたミッキー・ロークが最後に掴んだ大役なので、ロークの生き様がこの役のすべてに出ている。本物のレスラーのようなあの体を作り上げたのは本当に立派だと思う。また場末のストリッパー、マリサ・トメイや娘のエヴァン・レイチェル・ウッドの2人の女優の演技も素晴らしい。映像派のダーレン・アロノフスキーがいつもの作風を封印し、ドキュメンタリータッチで社会の底辺で生きる人間たちを哀愁いっぱいに描いていたのが意外で、アロノフスキーはこんなのも撮れるだねえ。