怪談

監督:中田秀夫

ハリウッドに渡って作った「ザ・リング2」が酷い出来だった中田秀夫が時代劇に挑戦ということで余り期待しなかったが、これが予想以上に面白い。まあ元になった落語自体が面白いというのもあるんだろうが、中田お得意のホラー演出が使い古されたテクニックではあるが、この物語と上手く絡み、時代劇としては中々のエンターテインメント作品となっている。しかしこの映画の一番の功労者は歌舞伎俳優の尾上菊之助といっていいだろう。艶っぽいというか色っぽいというか他の俳優では出せない個性が、この時代劇の雰囲気に見事にマッチしていてとてもいい。彼なしではこの映画は成り立たないといっていいだろう。ただ残念なのはエンドロールに浜崎あゆみの主題歌を起用するというアホさ。折角の時代劇がぶち壊しではないか。