チャップリンの独裁者

監督:チャールズ・チャップリン

小さい頃観た記憶があるが、ほとんど憶えていない。。。まあそんな訳で久しぶりに観てみた。チャップリンというとサイレント映画を想像するので、この映画もてっきりそうだと思ったら、トーキーだった。正直最初はチャップリンの歳とった姿に精彩を感じなかった。声もか細い。しかし2役の独裁者になると途端に大声で怒鳴り出し、物凄い熱演。1940年という時代に、ある意味ヒットラーをおちょくったような演技をやってのけた、その無謀さというか芸人魂には恐れ入った。また今でこそ珍しくないが、人間が入れ替わるというネタ等、以後のコメディの基礎を作った作品ではないか。ヒンケルとナパロニの意地の張り合いも最高に楽しい。しかし最後の演説シーンは余り好きではない。上品すぎるヒューマニズムは今の時代ではやや青臭く映った。ただ自身初のトーキーでこの演技力に、当時多くの観客は驚いただろう。オスカー獲ってもおかしくない迫力であった。