聖職の碑

監督:森谷司郎

本題の山岳遭難事故に入るまでが長すぎる。大正時代の教師の姿を描く必要があったにせよ。ただそれだけ当時の教育理念や理想を深く描いたからこそ人物に厚みが出たのも事実。鶴田浩二の渾身の演技は素晴らしかった。遭難シーンとかが余り迫力がなく、壮絶さがちょっと足りない。否定派を押し切って教育の為にした登山が運悪く遭難事件になる皮肉。ただ教育者としては立派だったと思う。今の時代では多くの反対で絶対石碑は立たないだろう。まだ良心が失われていなかった時代だからこその行為だと思う。