妻は告白する

監督:増村保造

この時代に、これだけのミステリーがあったんだね。日本映画も侮れない。法廷劇としても非常に分かりやすく、モノクロ映像にも味がある。若尾文子は悪女なのか、ただ単に男を一途に愛しただけなのか。この辺のイマイチ正体が見極められない演出と若尾文子の演技も見事。増村保造は何でも撮れるんだな。「曽根崎心中」でもそうだが、増村保造はこういった女の情念のようなものに、なにか引かれるものがあったんだろうか。