預言者

監督:ジャック・オーディアール

傑作!。フランスの刑務所生活をリアルに非情に描く。長尺だが全然飽きさせないストーリーテリングの巧みさ。殺した男の亡霊のような存在とか、そういった表現方法にも上手さが見れる。下っ端から除々に静かに水面下で、のし上がっていく過程をじっくり見せ、とても見応えがあるギャング映画。主役のタハール・ラヒムが素晴らしい。どこか自身の行いに後ろめたさと頭の良さでスマートに演じ、これが新人というから恐ろしい。またギャングのボスのニエル・アレストリュプの貫録もよし。最後、独房から戻ってきた時の二人の無言の目線。もうあんたはボスではないという、二人の立場の逆転が、切なく非情な世界だ。