厨房で逢いましょう

監督:ミヒャエル・ホーフマン

性に溺れるというのはあるが、食に溺れるという食欲というものを映画にした、なかなか面白い着想の映画である。この食という行為により、デブシェフと人妻が奇妙な友情関係を結ぶわけだが、この何だかよく分からない関係が後に悲劇へと向かう。前半の天才的なシェフが作る料理に人々が魅了されるという話に、不思議なテイストがあり良かったのだが、後半の展開がありきたりな関係のもつれによる悲劇という話にしてしまったのが、ちと不満。まあ結局この人妻が男心というものを全く理解していなかった為に、シェフの思いと旦那の嫉妬に何もきずかなかったというのが何とも辛い。