TENET テネット

監督:クリストファー・ノーラン

冒頭からノーラン節炸裂。オペラハウスに「ダンケルク」風音楽が鳴り響く。今作はハンスジマーじゃないのね。スパイ映画にオーケストラの相性は抜群だ。いきなり超絶アクションで、この世界に放り込まれる。この映画はもうひとつの「インセプション」って感じだ。あれも変な装置で夢に入り込んだが、こっちはついにタイムマシンに手を出した。しかもよく分からん理屈で、時間が逆行してる。過去に戻るだけでなく、さらに時間を逆行させるというトンデモ理論。複雑すぎて作ってる人達も混乱してるのではないか。我々はただこの流れに身を任せるしかない。完璧に理解しなくていい。ツッコミ所はたくさんあったけど、この摩訶不思議な時間旅行は、映画の興奮を久しぶりに味わえた気がした。