監督：山本薩夫
唐沢版のテレビシリーズは優れたドラマだった。これは田宮二郎の映画版。まあ唐沢版を見ていたので、大体の内容は憶えている。唐沢版と見比べるような目線で観た。しかしあの内容を１５０分で収めるとは恐れ入った。後半の若干駆け足気味なとこはあるが、濃密なドラマは健在。山崎豊子の映画は最近よく観るが、この人のストーリーテラーぶりには感心する。山崎豊子映画には欠かせない田宮二郎だが、不敵さはよく出ていたが、先日観た「女の勲章」の演技の方が凄すぎたので、さほど驚かなかった。江口洋介の印象が残る里見だが、こちらは田村高廣が地味に演じてる。東教授の東野英治郎も石坂浩二とは随分と雰囲気は違うが良かった。最後財前は死なないが、これでいいと思う。
