私が、生きる肌

監督:ペドロ・アルモドバル

確か原作は読んだはずだが、こんな話だったっけ。ミステリーだけど、アルモドバルが監督だと、入り組んだ愛憎劇へと変貌する。この映画が気に入ったのは、登場人物たちの複雑な人間関係にある。バンデラスも実は使用人の息子であり、そうなると妻は弟と不倫していたことになるし、その弟を殺す羽目になる。また回想シーンで明らかになる、監禁していた女の正体など、映画全体を包む倒錯した世界観のぐちゃぐちゃ具合が、アルモドバルらしく変態的だった。