少年と自転車

監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌ

父にも捨てられ、家族のない少年の話。この歳で既に人生に絶望感が漂い、少年の行動はやけっぱち。そんな孤独な少年の話は至ってシンプルなのだが、それでもここまで引き込まれるのは、少年の演技、そしてダルデンヌ兄弟の冷徹な眼差しによるもの。このリアルさこそがダルデンヌ兄弟の真骨頂だ。少年の境遇には同情はするが、生意気すぎる。少年だからといって甘やかすのはよくない。最後は死も予想できたが、ダルデンヌ兄弟は希望の道を選択したようだ。