神様のくれた赤ん坊

監督:前田陽一

父を訪ねて三千里。4人の父親探しの旅は、子供を受け入れる旅でもあった。70年代後半の日本の城下町のどこか懐かしい風景にしみじみした。親子の絆、恋人との絆、そして自分のルーツをめぐる旅に、彼らは人間的に大きく成長しただろう。またコメディとしても面白く、結婚スピーチのくだりは最高。吉幾三が笑えた。泉谷しげる吉行和子も若い。渡瀬恒彦桃井かおりの2人の好演も大きい。”私たち、ひょっとしたら同じこと考えてるんじゃないかしら”この台詞がキーポイントになっていて脚本の上手さがニクイ。忘れ物に気付き戻る赤い橋のラストシーンがいい。素晴らしい日本映画に出会えた。