譜めくりの女

監督:ドゥニ・デルクール

サスペンス映画だが、大袈裟な演出は一切なく淡々と復讐を仕掛けるところがフランスらしい。復讐の発端となる出来事が、その程度の事かいとは思うが、人の恨みとはそんなもんかもしれない。主人公の用意周到ぶりを見ると、復讐の原動力というのは物凄いものがあり、この為に生きてきたんだろうね。幼さとセクシーさを持ったデボラ・フランソワの喜怒哀楽が殆どない無表情さが印象に残った。信頼しきっていた周りの人間たちは、実際何が起こっていたのか全く分からないうちに復讐が達成され、なぜこんな目にということを当人たちに一切明かさない所もフランス映画っぽいのかな。