永遠のこどもたち

監督:J・A・バヨナ

パンズ・ラビリンス」と並ぶスペインホラーの到達点。巧みな語り口、練り上げられた脚本、息子のゲームや”だるまさんが転んだ”など伏線をはり、ほぼ孤児院の中の話なのに全く失速しないスピーディな展開とこれが監督J・A・バヨナの長編デビューとは信じられない出来。息子を愛し、孤児たちを愛し、母親の愛情と強さを力強く演じたベレン・ルエダの演技も完璧。ホラーとしての恐さはそれほどないけれど、様々な小道具を使いこなし、撮影テクニックを駆使してこの哀しくも美しい作品を作り上げた。またオカルト的な面白さもあり、霊媒師を呼んで家の中を調査するシークエンスもいい。要は見せ方が恐ろしいくらい上手いのだ。今や世界屈指の監督ギレルモ・デル・トロ製作とスタッフはスペインの一流揃いなので、なるほどこれだけ凄い作品が出来るわけだ。