誰も守ってくれない

監督:君塚良一

最近、犯罪を犯した加害者側の映画をよく観るし、こういう映画が増えている。この映画も自分の家族に犯罪者が出た時の加害者家族に突き付けられる非難や、それに付随して起こるハイエナのようなマスコミ報道やネットの暴走なども詳細に描かれていて、特に驚いたのが名前を変えるために書類上で再婚するとかそのやりとりが非情で生々しい。ただ、映画的すぎるというか社会派エンターテインメントだから許せるが、加害者だけでなく被害者の思いも伝えたいがために、過去の事件の被害者夫婦のペンションに行くというところにやや作りすぎな気がしないでもない。でもギバちゃんは熱演してたし、志田未来もよかった。あとだんだん親父に似てきた松田龍平も刑事としてはチャラいが悪くない。まあでもこういう映画を作ることはとても意義があると思う。加害者家族の立場を思いやることも考えなければいけない。加害者家族もある意味被害者なのだ。