めがね

監督:荻上直子

前作「かもめ食堂」同様、心地のよい、ゆっくりとした時間が流れる映画で、まさに黄昏という言葉がぴったり合うような映画だが、その何も起こらない話は、最初の1時間ぐらいまでは苦にならないが、さすがに後半それでは味気が無さ過ぎる。この作風はこの監督の持ち味だが、変にエンターテイメント化したら、この作風は失われるし、だからといってこのままでは、ちょっと工夫がないので、さじ加減が難しい所だ。この映画は「かもめ食堂」と違って、分かる人だけ分かりゃいいんだ的な傲慢さを感じ、内容とは裏腹にちょっと暗さを感じた。